「精神科医だけど質問ある?」>>1によるブログ

2ch「精神科医だけど質問ある?」スレ主が、過去の質問をもとに"よくある質問集"を作ります

認知症は将来治る病気?

結論:治療の目処は立ってません。

これについては分かりやすい記事があったので2つ紹介。

加齢と密接にかかわる認知症を撃退するのは現状では至難の業で、やはり衆人が期待する根治薬ではなかった。以上はあまり語られないことだが、患者さんや家族の希望が落胆に変わらないよう、事前に知っておきたい認知症薬事情である。
認知症 意外に知られていない6つのこと : 深読みチャンネル : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) 1/6

「じゃあ、認知症が治ったっていうけど、本当に治るの?」という質問にはどう答えるだろう。治る場合と、治らない場合がある、だろうか。治る認知症と治らない認知症があるのだろうか。
いや、ない。「認知症」は治らない。こう言うとみもふたもないと思われるかもしれないが、これがお約束だ。つまり、治らないものを「認知症」と呼ぶのだ。えっ!と思ったら、「認知症」理解の一歩目を踏み出したことになる。
教えます、認知症がわかる魔法のことば : 深読みチャンネル : 読売新聞(YOMIURI ONLINE) 1/4

印象深い部分を一部引用したが、詳細についてはぜひリンク先を一読いただきたい。
言葉遊びはともかく、現在「認知症」と呼ばれる一連の病気(主にアルツハイマー認知症)について、いまは「進行を遅らせる」ことが精一杯。最先端の研究が、認知症『予防の可能性を探ってる』くらいの状態です。既になってしまった認知症を「治す」ことは世界中の関心事ですが、いまの所現実的な解決法はありません。

昨今の薬の開発競争には凄まじい物があるとはいえ、今の現役世代が治療の恩恵に預かることは無理じゃないかと思われます。ただ、遠い将来という意味では・・・果たしでどうなるでしょうか?

スレの返信分

http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1448115923/

※スレの未返信だった分の返答です。
1週間ぐらい掲載した後に消しますのであしからず。

>>965
お幾つの方かわかりませんが、とにかく、よく勉強して下さい。

「精神科になるには何の勉強をすればいいですか?どんな本を読めばいいですか?」と聞かれることが良く有ります。
夢を壊すようで悪いですが、いざ精神科医になって働き始めるまでは、とにかく『目の前の勉強』をして下さい。中学生は中学校の、高校生は高校の勉強です。我流で心理学なり精神医学をカジるのが悪いとは言いませんが、少なくとも実用性は皆無です。目的を達したいなら、まずは今与えられた課題を全力でこなすことです。全てはそれの積み重ねです。

なお、医師免許さえ取れれば何科になるも個人の自由ですが、免許取得には、大学受験から専門教育から国家試験まで、とにかく試験だらけです。
免許取ったら取ったで、専門医試験やら指定医レポートなど更なる試験と、仕事を続ける限りつきまとう勉強の日々が始まります。
勉強嫌いの方は、そもそも医師になることはお勧めできません。医師はセンスや才能で出来るような仕事ではありませんので、地道な積み重ねが出来る方こそ向いています。


>>966など
自信がなくたっていいじゃない。
『自信を持っていないといけない』と、信じる自分を捨てたらいいと思うな。


>>969
 で き ま せ ん 。
そんなことできたら、医者なんてやめて別の仕事してます。
占い師とか詐欺師とか。


>>971
ありがとうございます。
またいつかお会いしましょう。

XX年間通ってますが良くなりません。病院を変えるべき?

結論:変える必要はありません
まず変える必要は無いとお考え下さい。

治療が変わることは滅多に無い

病気の種類によっても異なりますが、精神疾患では治療に年単位を要すものも珍しくありませんし、適切な治療を受けても、本人が期待するほどの改善が得られるものばかりではありません。あなたの主治医が無免許医師であるとか、1000人に1人レベルの藪医者*1でも無い限り、医療機関を変えることによって治療が大きく変わることはありません。

転院とは「ふりだしに戻る」こと

期待と異なるからと、治療を自己中断しては医療機関を"サーフィン"する方は少なからずおりますが、その都度治療を振り出しに戻すだけで、害多く益少ない選択です。
熱心な主治医であればそのような患者を何とか引き留めようとするでしょうが、大体は無駄な努力に終わります。それどころか「紹介状を書いてくれない悪徳医者」などとネット上に書き込まれ、叩かれたりしているのをときどき見かけます、本当は正しいことしてるのにね。一方多くの主治医は「これ幸い」とばかりに、"厄介な"患者をそのまま笑顔で見送るでしょう。

それでも転院したいんだ!

転居などやむを得ない事情を除いて転院はお勧めしませんが、それでもなお"今の治療が信用出来ないんだ!"ということであれば、紹介状を書いてもらって転院することや、セカンドオピニオンを取るなどの方法もあります。
その場合は、以下の2点をくれぐれも注意して下さい。

必ず現主治医の紹介状を持参

紹介状無しに別の医療機関を受診するのは絶対にやめましょう。これは患者自身にとって説明の二度手間になるだけでなく、過去の治療経過・処方歴などの貴重な医療情報を全て捨て去ることになるため、ご自身の治療にとって大変な損失です。
また、「現主治医が気に入らない」「会いたくないから」などという理由で紹介状の持参を拒んだり、あるいは現在通院中であることを隠して、病院の「品定め」目的に複数の病院を次々と受診される方が時々いらっしゃいます。こうした身勝手な重複受診は、ご自身の不利益になるだけでなく、医療機関に無用な負担をかけ、社会に対して多大な損害を与える行為です。絶対にやめましょう。

3箇所回って同じだったら観念しましょう

"青い鳥"を探し求めて5箇所も10箇所も精神科を転々とされている方にしばしばお会いします。私個人は"転院したから良くなった"という話は聞いた試しがないのですが・・・。私は、治療方針に納得できず転院を希望された患者さんには、『3箇所受診して結果が同じだったら、そういうモノなのだと諦めて下さい』と説明して送り出しています。4カ所目に都合よく「神の手」の名医が現れるなんてことはありませんので・・・

*1:なお日本の精神科医がおよそ1万人強ですので、国内TOP10に入るヤブ医者とも言えます

"大人の発達障害"について

このテーマは非常に質問が多かったので一個の記事にまとめてしまいます。ここでいう発達障害は、自閉症スペクトラム障害(ASD)、広汎性発達障害(PDD)、アスペルガー障害、注意欠陥多動性障害(AD/HD)、精神発達遅滞(MR)などの事です。個別の詳細は割愛。

自分は"大人の発達障害"の可能性はありますか?

私の回答ポリシーとして、「私の病名は何ですか?」「私はXXですか?」という質問には原則お答えできません。詳細については、お近くの精神科を受診してご相談下さい。

回答の基本スタンス / お答えするのが難しい質問 - 「精神科医だけど質問ある?」>>1によるまとめブログ

・・・が、この質問に関してはあまりにも同様の質問が多いので、思いつくことについてつらつら書いていきます。

「仕事がうまくいかない」のは"大人の発達障害"?

大体この質問をされる方は、「仕事がうまくいかない」「物忘れが多い」「集中できない」「気配りができない」などなど日常生活における失敗が多く、そうしたことをご自分で気づいたり、製薬会社のTVCMやWeb広告を見て気になったり、あるいは「お前は発達障害だから精神病院行け!」などと上司や同僚から指摘されたりした方が多いようです。
もちろん本当に"大人の発達障害"である可能性はありますし、そうでなくても別の精神疾患の可能性も否定できません。日常生活に耐え難いほどの苦労が多いのであれば、発達障害』というキーワードにこだわらずとも一度精神科を受診してみるべきだと思います。
ただ・・・こういった症状って、誰でも少なからず当てはまる事じゃないですかね?なるほど、製薬会社のホームページなど行くと上のような事が確かに書いてありますが、製薬会社は自分のところの薬を売りたいですから、大人の発達障害が"増えて"くれたほうが嬉しいわけです。そのことは、一応念頭に置く必要があると思います。

なお私の感覚ですが、自称「大人の発達障害」の方の半分以上は、発達障害ではなく別の精神疾患(適応障害パーソナリティ障害うつ病など)です。特に病気とは呼べないような方もいらっしゃいます。

上司や同僚からの"発達障害"の指摘

"大人の発達障害"などという単語が流行る以前から、ネットを中心に「アスペ」(アスペルガー)という単語が、元の意味を離れ、単なる蔑称として広く流布しているという現状があります。最近の「発達障害を指摘する上司」の増加も、それと同じ事ではないかと考えてます。
発達障害というのは列記とした『病名』であって、診断のためには十分な診察や専門的な心理検査が必要となります。もちろん、"あからさま"な発達障害の方というのは確かにいて、少し知識のある方が見ればひと目で分かるというケースもありますが、実際にこうして上司に促されて来院される方の多くは、発達障害ではなかったり、あるいは病気ですら無かったりします。
要するに、非専門家による「発達障害」認定は、ただのレッテル貼りであり、差別発言に他なりません。相手にしないことです。

"大人の発達障害"と診断してもらうにはどうしたら良いですか?

私としては非常に理解に苦しむ質問なのですが*1、なぜか同様の質問が多く寄せられていました。受診の際のあれこれについて。

受診するのは、精神科ならどこでも良いですか?

『大人の発達障害を扱ってます』と、積極的にアピールしている医療機関を選ぶことを強くお勧めします。
多くの精神科医は、"大人の発達障害"に対して苦手意識を持ってるか、あるいは"そんなもの病気とは認めない!"って方もおります。
そもそも、従来からある典型的な小児の発達障害(自閉症など)の診療というのは、多くの場合、そうした分野に詳しい小児科医や、発達障害専門の精神科医が対応しておりました。一般の精神科医が関わることは殆どありません。それなのに、疾患概念すらまだよく固まっていない「大人の発達障害」というのが突如製薬会社主導で喧伝されて、典型的な発達障害の診療経験すら乏しい一般精神科医のところに詰めかけてるので、多くの精神科医は内心辟易しております。私もその一人です。最近では様々な普及活動に寄って、診断程度は行える先生が増えていますが、いざ『治療』という段になると、正直ほとんど手を出せないのが実情だと思います。

診断には家族の同伴が必要と聞きました。一人ではダメですか?

発達障害の診断には、幼少期の行動に関する情報が必要不可欠であり、"大人の発達障害"を念頭に置いた診察となれば、ほぼ間違いなく親や養育者の同伴を求められます。
親に知られたくないなどで絶対に嫌だと拒む方もおります。もちろん強制するものではありませんが、その分診断の精度は下がるとお考え下さい。

"大人の発達障害"で休職することになった時、何を考えるか?

これは発達障害に限らず殆どの精神疾患で言えることですが・・・
発達障害は、広い意味での「病気」ではありますが、『病気なら仕事が出来なくても許されるのか?』といえば現実問題として許されません。*2実際、外来を訪れる方の中には『発達障害だから急に仕事任せられても出来ません、もっとゆったりした仕事に変えてほしい!』などと主張する患者様たちが多くおります。でも冷静に考えて欲しいのですが、常識的に考えて、そんな要求を一方的に突きつけてくる社員を、引き続き雇いたいと思う経営者がいるでしょうか?例の社労士のような対応は論外としても、あまりに"ワガママ"な要求ではないでしょうか?
精神疾患に限らず、病気であるということは「労働する能力が低い」ということです。だから卑屈になれとは言いませんが、医師の診断書を免罪符か何かと勘違いして『俺様は病気なんだ、お前らは俺のために尽くせ!』と会社に要求するようでは、誰も貴方を助けようとなどしません。まず変わるべきはあなた自身だ、ということは忘れないほうがいいと思います。そして会社が手を差し伸べてくれた時、感謝しながらお互いに歩み寄ると、復職への道が開けると思います。
※例の社労士 「モンスター社員をうつ病にさせる方法」で物議の社労士 「ダメージ与えて真人間に立ち直らせるのが真意」と釈明 | キャリコネニュース

診断された後、病院に通って何をすれば良いのか?

これは、併存疾患や具体的に困っている内容にもよりますので、主治医と直接ご相談下さい。

回答の基本スタンス / お答えするのが難しい質問 - 「精神科医だけど質問ある?」>>1によるまとめブログ

一般論を言えば・・・発達障害の場合、「薬飲んだら肺炎が治った!」みたいな根本的な解決策があるわけではないので、"治療"というよりも『障害とのつきあい方を学ぶ』と理解していただくのがいいと思います。結構、地道な努力です。*3

"大人の発達障害"のせいなのね、そうなのね♪

最後にコレは、質問ではありませんが・・・
最近、社会のあらゆるトラブルを精神疾患のせいにするのが流行りのようです。叱られて出社拒否はうつ病、仕事が遅いのは発達障害不登校は不安障害、いじめに遭ったらPTSD・・・
最近では、なんでも妖怪のせいにする子供も増えているようです。なんか、それと同レベルの気がしてなりません。

*1:わざわざ"大人の発達障害"などとマイナーな病名を指定した上で、「診断して欲しい」などとは、まるでこの診断が何かの利権のように扱われているような気がするのは気のせいでしょうが・・・

*2:ここが、多くの患者さんがハマってしまう点で、しかも医者も正面切って説明をしないためにトラブルになる点です。

*3:間違っても、『発達障害だからアレができないコレが出来ない』『発達障害なんだから仕方ない!』と開き直るようになってはいけません。

子宮頸がんワクチンは安全?

結論:安全ですが、国は態度を決めかねています。

あまり精神科医が言及する話題でもないと思うのですが、意外に質問が多かったので。あくまで私にとっては専門外の話題になりますので、参考までです。

2016/07/17追記:
この記事を見てくださっている方があまりに多いので、ちょっとだけ追記。H28.1にこの記事書いた後H28.3に副作用研究班の成果発表があり、国の見解は『安全』側に若干傾いた形です。
平成28年3月16日の成果発表会における発表内容について|厚生労働省
しかし『危険』を指摘する陣営の声はいまだ大きく、集団訴訟を始め様々なキャンペーンを張っています。一方で『危険』陣営の研究不正(?)を指摘する声もあり...いよいよ事態は混沌としてきました。
ここで私の考えを明確にしておきますが、私としては

  • HPVワクチンに薬剤としての危険性は少ないし、「接種推奨」出来るだけの十分な科学的根拠は揃った。
  • 「全身疼痛」などの有害事象は概ね精神疾患によると考えられるが、『危険』陣営のキャンペーンが続く限り「全身疼痛」の患者数は増え続けるだろう。
  • 国はいつまでも日和見を決め込むのではなく、態度を明確にして事態の収束を図るべきである。

と考えています。

子宮頸がんワクチンの"副作用"?

今何が問題になっているか、ですが、ざっくり言うと、子宮頸がんワクチン接種によって「疼痛や記憶障害などさまざまな症状が現れる」*1とする主張があります。

子宮頸がんワクチンの副反応「神経免疫異常症候群」かも:日経ウーマンオンライン【効くニュース from 日経ヘルス】

それで、なぜ精神科医にこんな話題が振られるかというと、これらの"副作用"というのが、精神科で言うところのヒステリー発作』*2を見ているだけなのではないか、という指摘が、従来より多くの小児科医や精神科医から為されているためです。

子供の接種、安全調査へ 子宮頸がんワクチン :日本経済新聞
以前から報告されている症状は、ワクチンとは無関係な思春期特有のものではないかとの指摘があった。調査でワクチンの安全性を客観的に評価し、接種の呼び掛けを再開するかの判断材料にする。

「ワクチン反対派」の主張は根拠薄弱

で、実際にこれどうなの?と考えると、市井の精神科医の感覚としては後者の(副作用では無いとする)意見のほうがしっくり来ますし、実際そうなんじゃ無いかと予想しています。またワクチン反対派の方々は、これまでにも CRPS(複合性局所疼痛症候群)やPOTS(起立性頻脈症候群)といった耳慣れない疾患概念や、従来より精神疾患との区別が曖昧だと批判の多いCFS(慢性疲労症候群)などを持ちだして様々な提言をしていますが、正直、コレといって危険性を示すような調査結果は得られていません。
しかしながら事ここにいたり、これ以上、ワクチンの"安全性"をどう証明するのでしょうか?危険とする大した証拠もないのにも関わらず"危険"のレッテルを張られたHPVワクチンは、悪魔の証明を求められる形になっているように思います。

とかやってたら、2015年12月にWHOの諮問機関がこんな声明を出してきました。

「エビデンス弱い」と厚労省を一蹴したWHOの子宮頸がんワクチン安全声明 WEDGE Infinity(ウェッジ)
専門家の副反応検討委員会は子宮頸がんワクチンと副反応の因果関係は無いとの結論を出したにもかかわらず、国は接種を再開できないでいる。以前からGASVS(補注;WHOの諮問委員会)が指摘しているとおり、薄弱なエビデンスに基づく政治判断は安全で効果あるワクチンの接種を妨げ、真の被害をもたらす可能性がある」声明の中で、政策判断を批判された国は日本のみ。政治的に配慮した表現を重視する国際機関が、一国だけ名指しで批判を行うのは異例のことだ。

かいつまむと

『世界的にはとっくに安全と決着してる副作用議論をいつまで続けてんだ!』
『政治的判断で日和って、これ以上、国ががん患者を生み出すことは許さん!』

(※ワクチンを打たせない=がん患者を増やしてる、の意)

と、普段は温厚なWHOさんが、珍しくおこです。マジおこです。

マスコミの責任

政治的な判断・・・というか、この場合、マスコミの態度こそ問題だと思うんですよね。 これだけネガティブキャンペーン張られたら、大抵の政治家は抗えないんじゃないかと・・・。多くの政治家さんは、医療行政改革を第一に行動しているわけではないと思うので、そんなところで意地はる必要もないですしね。 やはりこれも、日本脳炎ワクチンの推奨中止騒動*3と同じ構造・・・まるで進歩していないです。

薬の副作用は「ネットを介して伝染する」

これは私の私見ですが、今のご時世、薬の副作用って、ネットやマスコミの情報を介して「伝染」すると思うんですよね。俗っぽい言い方をすれば、ある種の「集団ヒステリー」です。
こうなると、あとは万人を救うことは諦めて、せめてまともな情報リテラシー持ってる方だけでも、 頸がんワクチンしっかり受けていることを願うだけ・・・です。あくまで、1人の精神科医の勝手な意見ですが。

*1:後に、日本線維筋痛症学会が HANS:子宮頸がんワクチン関連神経免疫異常症候群 という新しい疾患概念として提唱

*2:精神医学的には、解離性障害転換性障害・身体表現性障害などと呼びます。3つとも概ね同じ意味です。

*3:参考 マスコミの責任 : こんどうこどもクリニック 院長のブログ

薬はいつまで飲めばいい?

結論:疾患や経過によるので一概には言えません

結論は上記の通りなのですが、一応、おおまかな目安を。

統合失調症」「双極性障害」「てんかん」などは、原則一生内服を続けていただく代表格ですし、 一方で「適応障害」「(古典的)うつ病」などは、症状が改善すれば、一定期間の後に服薬終了とするのが一般的です。

一方、「不安障害」「パニック障害」などは、あまり明確な答えがありません。私は、薬の副作用無く症状もよくコントロールされている状態なら、原則一生服薬継続することをお勧めしてます。ただ上に挙げたような病気と比べると、一生続けるということにそこまで強い根拠があるわけではないので、 本人の希望があれば、慎重に減量~中止をトライしますが・・・残念ながら、再発が相当にあることも事実です。報告によっても違いますが、少なく見積もっても5割以上が服薬中止による再発を経験するようです。 これを多いと見るか少ないと見るかは人それぞれでしょうが。

回答の基本スタンス / お答えするのが難しい質問

基本的にはどんな質問をしていただいても構わないのですが、中には性質上、お答えすることが難しい質問があります。特に多いものについて書き出しました。ネットでの相談の限界としてご了承下さい。

既に精神科へ通院中の方

「治療方針」「薬の効果/副作用」については、直接主治医にご相談下さい。貴方のことを直接診察している主治医こそが、誰よりも的確な判断を下せるからです。

「診断」についての質問*1にはお答え出来ません。ネット上の相談では、直接診察した医師以上に正確な診断は出来ないからです。

精神科の受診歴がない方、受診を検討中の方

「私の病名は何ですか?」「私はXXですか?」という質問には、原則としてお答えできません。比較的診断が明らかだと思われるときに推測を述べることはありますが、『~の可能性があります。詳しくは精神科を受診してご相談下さい。』といった形でお答えしています。ここでの相談は、受診の代わりにはならないことを承知下さい。

「~ですが受診した方がいいですか?」の質問には、9割方YESとお答えしています。質問だけ聞いて、絶対に問題ないと判断できるケースなど殆ど無いからです。残りの1割は、まず受診すべき科が精神科以外(内科など)であるとか、相談すべき相手が医者以外(弁護士など)であるなど、です。

*1:"私はXXと診断されています。あってますか?"など